第2回 虹が丘のノンステップバスたち

2010年10月、それまで東急バス唯一の「ノンステップバスがいない営業所」であった虹が丘営業所に、初めてのノンステップバスが転属してきました。当初は移管されたニュータウン北線専属であったものの、今では従来のワンステップバスに混じり様々な路線で使用される姿が見られています。
今回の特集では、そんなノンステップバスの写真を交えながら、虹が丘の各路線を簡単にご紹介していきます。

▼ニュータウン北線
nj551-007 虹が丘にノンステップバスが配置されるきっかけとなった路線。1990年の開通時はたまプラーザ駅~新北川橋(旧た91系統)、たまプラーザ駅~すみれが丘(た94系統)の2系統が運行されており、新羽営業所の管轄でした。1993年には東山田営業所開設時に移管されました。
横浜市営地下鉄グリーンラインの開通時に大幅な改変があり、たまプラーザ駅~サレジオ学院~センター北駅・センター南駅という現行とほぼ同じ運行形態となりました。
北山田地区を走る路線は低床化が早く、ニュータウン北線もいち早く全便がノンステップバスによる運行となりました。虹が丘移管後もしばらくはその状態が続きましたが、2012年秋頃より少しずつワンステップバスの運用が増えつつあります。

▼犬蔵線 た81・た82 たまプラーザ駅~美しの森循環
nj496-019 2009年11月1日に運行を開始した、管内では最も新しい路線。たまプラーザ駅と川崎市宮前区犬蔵地区を結ぶ循環路線で、平日は専らノンステップバスが使用されています。
開通時は長尺ワンステップバスが充当されることもありましたが、距離が短いため満員になることも少なく、短尺車の運用がほとんどとなっています。2012年秋頃より平日ダイヤではノンステップバスによる運用が基本になりました。固定ダイヤで運用されているようで、特にNJ658号は朝・昼・晩と3つのダイヤに貼り付けられているようです。

▼元石川線 た51 たまプラーザ駅~江田駅・虹が丘営業所
nj496-024 虹が丘営業所所管路線の中でも歴史の古い元石川線。住宅地と駅を結んでいる他の路線とは違い、運転本数が少なく、平日はノンステップバスが使用されるようになっています。
なお、江田駅発の終車のみ虹が丘営業所行きの入庫便が運行されており、この運用も基本的にはノンステップバスが充てられていました。虹が丘営業所発江田駅行きの出庫便はワンステップバスが使用されています。

▼市が尾線 柿23 市が尾駅~柿生駅北口
東急田園都市線の市が尾駅と小田急線の柿生駅北口を結ぶ市が尾線。虹が丘営業所に3路線ある、小田急バスとの共同運行便の1つです。青葉台営業所から移管された当初は朝ラッシュ時に5台充当されていたこの路線ですが、減便改正が行われたことで朝ラッシュ時でも2台運行となってしまいました(いずれも東急便のみ)。こちらの路線も2012年秋頃より、平日は朝から晩までノンステップバスが使用されるようになっています。

▼団地線 た41 たまプラーザ駅〜虹が丘営業所
たまプラーザ駅とすすき野団地、虹が丘団地を結んでいる路線。たまプラーザ駅発着路線の中では最も本数が多く、早朝から深夜まで運行されています。
利用者数が多く、ノンステップバスとは縁の無さそうなこの路線ですが、元石川線・犬蔵線を走った車両がた41系統として営業所~たまプラーザ駅間を走ります。定員80人以上のスーパーロング車に紛れて、短尺のノンステップバスが走ってくるのは面白いです。

nj659-014▼梶が谷鷺沼線 梶01 梶が谷駅~鷺沼駅
2009年4月に高津営業所から移管された路線。梶が谷線(梶が谷駅~野川台公園前)、野川線(鷺沼駅~野川台)と別々に運行されていた2路線を統合する形で開設されました。
あざみ野線、団地線に次ぐ運行回数を誇っていますが、鷺沼駅ターミナルの構造上、長尺車は基本的に使用されていません。充当車両は短尺・標準尺のワンステップバスが基本で、ノンステップバスによる運用は中々見られません。

 

nj496-036▼嶮山線 た63 たまプラーザ駅~あざみ野駅 他
あざみ野線、団地線に次いで営業所開設直前に新設された路線。たまプラーザ駅~元石川高校~あざみ野ガーデンズ~あざみ野四丁目~たまプラーザ駅というラケット形をした循環線と、たまプラーザ駅~元石川高校~あざみ野駅を結ぶ路線が運行されています。
ノンステップバスをニュータウン線以外で初めて見られるようになったのがこの路線で、元石川高校下校時に走る短いダイヤでした。現在は決まって充当されるダイヤはありませんが、それなりの頻度で運用を見ることができます。

▼あざみ野線 あ27 あざみ野駅~すすき野団地 他
虹が丘営業所一のドル箱路線とも言えるのがあざみ野線。すすき野団地とあざみ野駅を結ぶあ27系統を筆頭に、5系統が運行されています。市が尾線、市が尾中山線で使用されるバスは出庫時にあ28系統の運行も兼ねており、そこで見ることが可能です。
本線である あ27系統にも、ごく稀にノンステップが充当されています。そう簡単には見られない、珍しい組み合わせです。
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▼柿生線 柿01 たまプラーザ駅~柿生駅前 他
元石川線と同じく、長い歴史をもつ路線。柿02は出入庫を除く虹が丘所管路線で、唯一田園都市線の駅に乗り入れていない系統。朝ラッシュ時は他の系統に比べると混雑が少なく、ここにノンステップバスが充当されることが多いようです。
なお現在では、柿01系統・た31系統を走るダイヤにもワンステップバスのショート車と同じように充当されています。

▼稗原線 新25 たまプラーザ駅~新百合ヶ丘駅
小田急バスとの共同運行を行っている稗原線。全車ノンステップバスで運行している小田急バスとは違い、東急のノンステップバスが充当されることは珍しいです。nj495-013

▼新百合線 新23 あざみ野駅~新百合ヶ丘駅 他
こちらも小田急バスとの共同運行という形を取っている路線。すすき野・王禅寺と言った急坂の多いエリアを走行しており、沿線には住宅地や学校があることから、利用者は非常に多いです。東急バスでは開通から現在まで基本的に長尺車を使用してきましたが、2012年10月から12月頃まで、一時的にノンステップバスが集中運用されたことがありました。小田急バスが全く同じの型式のノンステップバスを使用しているはずなのですが、とても違和感のある光景となりました。nj658-006

nj657-t1▼美しが丘線 た71 たまプラーザ駅~美しが丘西
たまプラーザ駅と美しが丘西地区の住宅街を結ぶ路線。短距離であり、運行本数がそこまで多くないことから、ダイヤ本数が少なく、ノンステップバスが充当されている姿を捉えるのは難しいです。

▼黒須田みすず線 あ71・あ72 あざみ野駅~あざみ野ガーデンズ
こちらも中々ノンステップバスを見ることができない路線。かつては循環路線であったことから路線名は統一されていますが、ダイヤは別々に引かれています。

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▼市が尾中山線 市43 桐蔭学園前~中山駅北口 他
2006年に横浜市営バスから委譲された路線。それ以前も東急バス青葉台営業所の管轄で、市が尾駅~桐蔭学園前間は運行されていましたが、委譲と同時に虹が丘に移管となりました。
複数の枝系統がある中でノンステップバスが決まって充当されているのが、平日のみ運行の市が尾駅~奈良北団地折返場。鴨志田団地や奈良北団地から青葉区役所へのアクセス路線という役割を果たしているものの、利用者は決して多くはありません。

番外編 異端児NJ520の活躍
 虹が丘営業所に1台のみ在籍している中型の一般路線車。契約輸送の予備車として虹が丘営業所に配置されているこの車両ですが、これまでに本当に数回、一般路線の運用に入っています。「一般路線で走ればイレギュラー」という珍しい存在です。

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以上、虹が丘営業所の路線をざっとご紹介させて頂きました。やはり坂も乗客も多い虹が丘営業所の環境にノンステップバスは適さないのか、このページを作成している間にもNJ495・NJ496の2台が淡島に転属となり、虹が丘のノンステップバスはNJ520も含めて8台となってしまいました。稼働率についても、固定ダイヤを持たない土休日は休みがちかなと感じることが多くなっています。いつまでの活躍になるか分かりませんので、少しでも記録できる内に記録しておきたいところです。
なお、このページの作成にあたっては多くの方より素晴らしい写真を提供して頂いております。この場を借りて御礼申し上げます。そして、たいした内容でも無いのに公開まで一年以上も掛かってしまい申し訳ありませんでした。

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