第1回 210円で乗れるワンロマ車

一般路線バス用の車体でありながら、車内はハイバックシートなど豪華な仕様が採用されているワンマンロマンスシート車。通称ワンロマ車と呼ばれており、東急バスでは通常の塗装に金色のアクセントが追加されているのが特徴です。
新横溝口線や深夜急行バスなど中々乗車することが出来ない路線で使用されているワンロマ車ですが、間合いとなる時間帯には通常の路線バスと同じ一般路線での運用に入ることがあります。一日乗車券ももちろん使用でき、少しお得な気分になれます。今回の特集では、そんなワンロマ車の一般運用について紹介していきます。東急バスでの「乗りバス」にお役立てください。
※記載情報は2014年5月現在のものです。変更となる可能性がありますのでご了承ください。

1.新道線 渋12 渋谷駅~二子玉川駅・高津営業所
西口ターミナル19番のりばから出発 TA324 日野:KL-HU2PREA 東急バス一のターミナルとなる渋谷駅。ここから国道246号線をひたすら走行し、二子玉川駅に向かうのが新道線です。田園都市線の急行に乗ってしまえばわずか10分で移動出来てしまう距離ですが、バスの所要時間は40分程度と比較的長い距離となります。それでも並べば着席出来るという点から、始発から終点まで乗り通す乗客も少なくありません。
そんな新道線ですが、平日・土曜を中心にワンロマ車が使用されています。元々、高津営業所のワンロマ車は新横溝口線と深夜急行溝の口線において使用されていましたが、新横溝口線が新羽営業所単独運行となり、日中時間帯に新道線で運用されるようになりました。
日中は20分間隔で運行されていますが、同じく新道線固定で日野レインボーのナロー車も運用されています。運が悪いとワンロマ車を長時間待つこともありそうです。
なお、渋12系統は二子玉川駅行きと入庫となる高津営業所行きが運行されており、どちらも途中の二子玉川停留所が二子玉川駅改札の最寄りとなります。高津営業所行きは二子玉川を過ぎると運賃が250円となりますが、一日乗車券でも問題なく乗車することができます。ただ、高津営業所の前を通るバスはほとんど運行されていないため要注意です。
【充当車両】TA8777,TA1269,TA1270

2.久地線 向02 二子玉川駅~新平瀬橋・高津営業所→二子玉川駅
新平瀬橋で出発を待つ TA286 三菱ふそう:KL-MP35JM改 上記の新道線の出入庫運用として、ワンロマ車が使用されることがあるのが、久地線の新平瀬橋発着便です。こちらは平日早朝に二子玉川駅方面が3便、平日夜間に新平瀬橋方面が4便運行されているだけで、新道線に比べると距離が短く、乗り継ぎも難しい路線となっています。
久地線の本線は中型車が使用されることも多いため、この行き先表示のワンロマ車はそれなりに違和感があります。なお、新平瀬橋発着便とは別に高津営業所→二子玉川駅間の出庫便も運行されていますが、こちらも早朝に数本が運行されるのみとなっています。
【充当車両】TA8777,TA1269,TA1270
※渋12系統は2022年4月1日より、土曜日1往復のみの運行となりました。ワンロマ車については、代替となる玉12系統において運行されています。(2022/4追記)

3.自由が丘線 東98 等々力操車所~東京駅南口
東京タワーをバックに M324 日野:KL-HU2PREA 東京駅に乗り入れる唯一の東急バス路線となる自由が丘線。世田谷区・目黒区の住宅街から丸の内のオフィス街を乗り換えなしで結ぶ通勤路線としての役割がある一方、土休日は駅舎のリニューアル工事が完了した丸の内駅舎と東京タワーを結ぶ観光路線としての一面もあります。
長い間都営バスとの共同運行が行われてきた自由が丘線ですが、都営バスが2013年3月31日をもって運行から撤退し、東急バス単独運行となりました。都営バス運行分を引き継ぐため新たに8台が増車され、これまで用途外輸送などでしか使用されていなかったワンロマ車もついに一般路線で使用されるようになりました。目黒営業所ではかつてもワンロマ車を自由が丘線で運用しており、約12年ぶりにこの路線でワンロマ車が復活したことになります。
2014年4月上旬現在、運用は平日朝の等々力操車所出庫→東京駅→清水入庫という非常に短いダイヤに充当されています。毎日決まったダイヤに入る訳ではなく注意が必要ですが、7時台に等々力操車所に行けば高い確率で出会えると思います。
所要時間は等々力操車所から東京駅南口まで60分~80分程度。車窓は東京駅に進むにつれてガラリと変わり、乗っていて楽しいです。
【充当車両】M324,M323(増強時のみ)

※2016年3月にM324号車は廃車になりました。M323は貸切登録であるため、一般路線で運用されることは少ないようです。
※M323号車は時折朝の自由が丘線で運用されているようです。清水始発の東京駅南口行きに充当されることもあるとか。(2017/7追記)
※2018年8月にM323号車が新羽営業所に転属となり、目黒営業所からワンロマ車がいなくなりました。従って、自由が丘線にワンロマ車が充当されることはなくなりました。(2019/12追記)

4.高田線 日40 東山田営業所~日吉駅東口
ラッシュ時の運用を終えて営業所に戻る H394 三菱ふそう:KL-MP35JM改 東山田営業所と日吉駅を結ぶ出入庫路線。朝ラッシュ時は日吉線出庫運用の他にこの日40系統のみを走るダイヤが存在し、稀にワンロマ車が運用されています。
この地域は横浜市営地下鉄グリーンライン開通により路線バスの運行回数が大幅に減便されており、この日40系統も10時台以降はほとんど運行されていません。
2013年3月から5月にかけて、IKEA港北=用賀駅間でシャトルバスの実験運行が行われ、ワンロマ車の運用がこれまで以上に少なくなりました。しかし、現在では再び高田線で使用されるようになっています。
【充当車両】H393,H394

※H393、H394除籍後は主にH1285がこのダイヤに充てられているようです。

5.荏田南線 市72 江田駅~市が尾駅・都筑ふれあいの丘駅/南61 センター南駅~中山駅北口
屋根の塗り分けが綺麗なのもワンロマ車の魅力です AO324 日野:KL-HU2PREA 田園都市線の市が尾駅と江田駅を結んでいる路線。2014年4月に大幅な減便改正が行われ、日中のみの運行となりました。2014年5月からは川和町駅~青砥間の新道を通る南61系統が新設され、こちらも荏田南線の一部となっています。
青葉台営業所には深夜急行バス及びスクールバス用としてワンロマ車が5台所属しています。貸切登録の1台を除いて一般路線での使用が可能で、特に荏田南線で運用されることが多いです。市が尾駅にはワンロマカラーの契約輸送車も乗り入れており、高頻度でワンロマカラーのバスを眺めることができます。
【充当車両】AO574,AO1279,AO1281,AO1282
※現在では青葉台管内ではダイヤ固定が実施されているようで、ワンロマ車は荏田南線のほか、川和線・市03系統(市が尾駅~新横浜駅)や十日市場線・青23系統(青葉台駅~若葉台中央)など決まったダイヤに充当されています。
※荏田南線は2017年6月30日の運行をもって廃止になりました。(2017/7追記)

以上、ワンロマ車の一般運用ということで5路線を紹介させて頂きました。必ずしもワンロマ車が充当される訳ではありませんが、東急バス乗り継ぎの際には参考にしていただければと思います。

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